人材を育てられないWeb業界

僕らWebの黎明期から関わってきた者のすべきことは、新人を育成する仕組みを確立することだと思っている。

例えば、5年前と比べてみればわかると思うけれど、今から新人がWebに関わっていこうと思ったら、個々人に求められる知識やスキルは5年前に比べて圧倒的に増えたことは事実。

きちんと構造化されたHTMLを書くスキル、JavaScript・CSSのノウハウ、サーバーサイドとフロントエンドとの効率的な連携方法、サーバーサイドの知識、インタラクションデザイン、インフォメーションデザイン、アクセシビリティ、コーポレートブランディング、コミュニケーションデザイン、etc。

もちろん、これらすべてを一人で覚える必要は無い。なぜなら、上で挙げたそれぞれの分野がどんどん専門化してきているので、昨今ではサイト1つ作るにも分業せざるを得ないからだ。

けれども、Webのどの職種に就くのであれ、これらそれぞれがどんなものかというボンヤリしたイメージだけでもつかんでおくことは必要だろう。なぜなら分業する相手のことを多少なりとも理解していなければうまく分業できないからだ。

また、自分が就く職種において必須の知識は余すところ無く吸収しておく必要があるだろう。なぜなら、それがプロというものだからだ。

ところで、そういった知識をきちんと教育できる機関や、教育できる仕組み(たとえばOJTみたいなもの)を社内に持っている会社がどれぐらいあるかというと、ほぼ皆無だろう。

なぜ育成できる仕組みがないのだろうか。

Web業界は、誕生してから15年ぐらいで、商業メディアとしてどれぐらい経ったかと言えばせいぜい10年ぐらい。

だから、未成熟。故に、色々試行錯誤してるのだろう。

試行錯誤のステージにあるから、まとまったノウハウもないし、新人育成なんてできない、と言うことなのだろうか。

それはいささか言い訳じみている気がする。

 

たぶん自動車とか出版とか、どんな業界でもいいんだけど、今の世の中にあるあらゆる業界も、その業界が世の中に初めて登場した時には、今のWeb業界が置かれているような試行錯誤のステージにあったはず。

試行錯誤を繰り返す中で、ある程度確立されたやり方が見えてきて、ビジネスの定石みたいなのもできて、それでようやく安定したフェーズに入ってるのだと思う。

しかし、どうして安定したフェーズに入れたかと言えば、新人を育成できる仕組みを作ったからだと思うのだ。

先達の学んだ知識を礎とし、その上にさらに発展した物を生み出す仕組みを作った。

それがまた後から来る物の礎となり、さらに業界として発展していく。

そうしてきたことで、業界として確立したのではなかろうか。

 

Web業界が今すぐ安定期に入って欲しいとは思わないけど(Webの持つあらゆる可能性を潰して欲しくないし、まだまだ成長する業界だと思うから)、この10年で既にある程度定石みたいな物も見えてきてるし、既存の業界とどうやって折り合っていくか、みたいなものも見えてきてる。 

そう言う定石を教科書的な物にまとめて新人に教える仕組みを作る、とか、既存の業界とうまくやっていく方法はどういう物なのかをまとめるのが、僕らみたくWeb黎明期から関わってきた人間のやるべきことなのかな、と思っている。

 

たぶん、新人を育成できない業界はいずれ行き詰まるし、下手すれば滅びるか、10社ぐらいしか生き残っていないみたいな酷いことになる。

そうなる前に手を打たないと、Web業界は酷いことになると思うのだ。

 

続く。

One thought on “人材を育てられないWeb業界

  1. 私の知人がそう思ってWeb検定とか作ってましたが、会社内で人材を育てる仕組みがあるところがいまだにほとんどないですね・・。すでに年配組の自分ですら自分の勉強でせいっぱいですからね。できる人は皆自分で勉強して自分で伸びてますが、そういう人は超忙しくてこれもまた人に教える余裕がないときてる。そういう悪循環がこの業界にはある気がします。。

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